井月を囀(さえず)る Chirping a haiku by Seigetsu 除け合うて二人 2026.07.16
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はじめに Introduction
こんばんは! 篶囀(えんてん・Enten)です。
時の経過は早いもので、今年も既に日暮れ時が早くなっていることに一抹の寂しさを感じる今日この頃です。
さて、近頃世界的に日本人のマナーや行動が高い評価を受けています。
その中の「譲り合いの精神」に基づく、いくつかの行動パターンとして
●歩道や通路ですれ違う際、お互いが自然に体を斜めにして道を譲り合う光景
●エレベーターに最後に乗った人やボタンの前に立った人が、他の全員が降りるまで
「開」ボタンを押し続ける行為
等がよく挙げられるそうですが、これらは今に始まったのではありません。
狭い道ですれ違う際に道を譲る行為は井月の時代にも勿論ありました。
今日はそんな瞬間を味わってみましょう。
井月:今宵の一句 Seigetsu:A haiku for tonight
除け合うて 二人ぬれけり 露の道
(よけおうて ふたりぬれけり つゆのみち)
この句を詠んで真っ先に脳裏に浮かんだのは、すれ違った二人の『笑顔』でした。
それも、揃いも揃って心地良い苦笑い。
除け合った直後の二人の心中は、ともに「失敗したなあ」でしょうね。
だって、『相手が濡れないように・・・』という思いでお互い道を譲ったのに、結果的に二人とも濡れちゃったんだから、除け合ったのは失敗ですよね。
でも、この場にそんなマイナスなイメージは微塵もありません。
ここにあるのは「結局二人とも濡れてしまったなあ」という一種の照れ笑いでしょう。
露は冷たいけれど、なんだかこの句を詠んで心が温かくなりました。
それにしても井月はやっぱりすごいですね。どこにでもありそうな、何気ない日常のひとコマを切り取って、たった17文字で読者の心をこれだけ動かすのですから。
井月が見た譲り合いの一瞬は150年以上経った今なお、この句に出会う人に微笑みを与え続けているんだな、と感心しきりの篶囀です。
篶囀の思い描く『この句のイメージ』
The “image of this haiku” envisioned by Enten

【画像は生成AIを使用して作成しています】
句碑近景 Close-up of the haiku monument


スーパーバローからすぐ近くですから、買い物した後ちょっと歩いてみてはいかがでしょう。
旋律譜:除け合うて二人 Melody: Yokeoute hutari

鼻歌で囀ってみたよ
♬ I tried humming a tune
あとがき Afterword
お気づきの方もいらっしゃるでしょうね、これまで「篶囀の思い描く『井月像』」としていた見出しを今回から「篶囀の思い描く『この句のイメージ』」に変更しました。一句ごとBlog化していく趣旨から、やはり句の持つイメージが大きいと思ったので。
さて、次回の旋律譜は
ふらふらとして
です。
2026.07.16㈭

