はじめに

 こんにちは篶囀(えんてん)です。
 ここ数日来、朝晩の冷え込みは別にして日中はだいぶ暖かくなりました。
 冬の間、寒さで固まっていた身体も少しずつほぐれてきましたね。嬉しいことです。

 で~も、気温が上昇するにつれ(とかく人間は春の陽気で・・)気が緩み、
「油断」や「眠気」に襲われてしまう御仁も多いのではないでしょうか?
 こういう時節に体調を崩したり、何かで失敗したりすることが多くなりがちですので、
要注意ですね。

 さて、今日はそんなウカレた気分に ”喝” を入れる・・
小気味よい空想の世界へ行ってみましょうか。
 

篶囀の思い描く『井月像』

長閑な春の陽気の下、腰を据えてタンポポを見つめる井月(イメージ)

 

井月:今宵の一句

『春の気の ゆるみをしめる 鼓かな』

 能や歌舞伎の世界で鼓の役割は大きいそうですが、能や歌舞伎を知らなくてもあの「イヨ~」の掛け声に続く「ポン!」という心地良い響きは皆さん一度は聞いたことがあると思います。

 タンポポ(蒲公英)は「鼓草(つづみぐさ)」とも言われるキク科の多年草です。
 道端や土手などで普段いくらでも見ていますよね。

 このタンポポの茎を3~4㎝くらいの長さに千切って、一方の切り口を指でちょっと潰して唇に咥えて笛にしたことありませんか? 
 篶囀はこの笛吹きの遊びが大好きで、今でも時折鳴らしては楽しんでおります。

 また、両端の切り口を細かく裂いて水に漬けると、反り返ってまるで小鼓のような形になります。鼓草とも言われる所以でしょうか。

【篶囀の解釈】
 井月は、ぽかぽか陽気の山里に佇みこのタンポポを手にしていた。

 「鼓のポンポンという音色。
 ピーンとして張りがあり、引き締まった音。
 忘れられないあの調べ・・・」

 そう、井月は感慨にふけっていたのだ。 

 遥か昔に都で観た能の舞台を思い出しながら・・

 

旋律譜:イヨ~ ポンポン

最後の2小節は 「イヨ~ ポンポン」ではなくて、『イヨ~ ポポポン』です。

あとがき

 ● ポン、ポン、ポポンと音を奏でたのは『鼓』であって、タンポポではありませ
  手にしていたのはタンポポですが、井月の脳裏ではあくまでも ”鼓” が鳴っていたので
  ゴザイマス。    
 ● 初めてこの句を知った時、やはり井月は「ただものではない」と感じました。
  奥深い体験を若い時代に積み重ねているからこその一句だと・・
 ● 井月は野の花・タンポポをと見做して、そんな人間の性(さが)に ”喝” を入れ
  た句を残してくれ・・た、と考えるのも一興かと。  
   「篶囀! 飛躍しすぎだゾ~」 こんな声も聞こえてきそうです。
 ● 鼓はタンポポ、たんぽぽが鼓、イヨ~ポポポン!

さて、次回の旋律譜は


   春の野や


です。
 ぽかぽか陽気の下、さわやかな春風を受けての『山野草摘み』は春の楽しみの一つですね。
 お酒の好きな井月は酢味噌が大好き!

2026.03.16 ㈪ 

ABOUT ME
篶囀 enten
昔は、還暦には赤いちゃんちゃんこを贈り長寿のお祝いをしていたようです。  さらに古希、喜寿、傘寿・・と長寿の御祝は続くのですが、平均寿命の延びが著しい現代では還暦の祝は「長寿」の祝でなく、「人生の節目」を祝う意味合いが濃くなっているようです。  我が家でも「60・70は鼻たれ小僧」とばかり、御祝の『御』の字もなく淡々と過ごしてきました。  私は還暦で第一の人生に区切りをつけ、『ご破算で願いましては・・』と第二の人生をスタート。(気持ちだけですが・・・)  第二の人生においても既に鼻たれ小僧を通過して今や「中学1年生」、思春期真っ只中です。  (o^―^o)ホホ   あれもやりたい、これもやりたいと、好奇心の塊で今は「井月」に熱中しています。